フード選び

都道府県別 迷子犬の抑留・返還データ一覧【令和6年度】

調査担当:ヒロ(いぬごはん調査室 運営者) 2026/9/26 公開

犬が迷子になって自治体に保護されたとき、どのくらいの割合で飼い主のもとに戻れているのか。厚生労働省が公表している都道府県別のデータから、抑留数と返還数を47都道府県ぶん取り出しました🐶

先に全体の数字(令和6年度)

項目頭数
抑留(自治体が保護・保管した犬)11,792頭
返還(飼い主のもとに戻った犬)5,822頭
返還率(当サイト算出)49.4%

保護された犬のうち、飼い主のもとに戻れたのはおよそ半数です。裏を返せば、半数は飼い主が分からないまま、あるいは引き取り手が現れないまま次の処置に進んでいることになります。

表:都道府県別 抑留・返還数と返還率

※は抑留が50頭未満で率が振れやすい県。島根県は抑留・返還が公表されていません(「-」)。

都道府県抑留返還返還率参考:マイクロチップ登録率
47都道府県計11,7925,82249.4%15.2%
北海道30612340.2%13.3%
青森県11811194.1%12.5%
岩手県928087.0%9.9%
宮城県22816672.8%12.1%
秋田県※472961.7%11.2%
山形県625690.3%11.8%
福島県27921476.7%11.1%
茨城県924181.9%14.8%
栃木県53015128.5%13.1%
群馬県38527771.9%14.9%
埼玉県34522765.8%18.7%
千葉県53431959.7%17.7%
東京都※181583.3%20.3%
神奈川県18713170.1%16.1%
新潟県967881.2%12.6%
富山県575189.5%12.7%
石川県1006464.0%14.1%
福井県※201995.0%13.2%
山梨県26822483.6%19.1%
長野県35730384.9%12.7%
岐阜県20214772.8%13.9%
静岡県27420574.8%14.6%
愛知県52235367.6%15.6%
三重県1299170.5%12.9%
滋賀県946266.0%13.1%
京都府502142.0%15.2%
大阪府※393282.1%16.9%
兵庫県※381744.7%14.1%
奈良県※28725.0%19.3%
和歌山県1303526.9%12.9%
鳥取県654670.8%15.2%
島根県---11.2%
岡山県72412016.6%15.0%
広島県123118.9%12.2%
山口県2627528.6%12.7%
徳島県3426017.5%12.7%
香川県1712816.4%13.7%
愛媛県3767219.1%12.4%
高知県1072826.2%10.7%
福岡県36315041.3%15.6%
佐賀県1309170.0%17.5%
長崎県2257935.1%10.9%
熊本県53729054.0%14.3%
大分県23115968.8%12.0%
宮崎県52738472.9%12.1%
鹿児島県47130264.1%11.7%
沖縄県67930144.3%12.2%

返還率が高い5県

  1. 青森県 94.1%(返還111頭 / 抑留118頭)
  2. 山形県 90.3%(返還56頭 / 抑留62頭)
  3. 富山県 89.5%(返還51頭 / 抑留57頭)
  4. 岩手県 87.0%(返還80頭 / 抑留92頭)
  5. 長野県 84.9%(返還303頭 / 抑留357頭)

返還率が低い5県

  1. 茨城県 1.9%(返還18頭 / 抑留924頭)
  2. 広島県 8.9%(返還11頭 / 抑留123頭)
  3. 香川県 16.4%(返還28頭 / 抑留171頭)
  4. 岡山県 16.6%(返還120頭 / 抑留724頭)
  5. 徳島県 17.5%(返還60頭 / 抑留342頭)

最高の94.1%と最低の1.9%では、50倍近い開きがあります。これは犬や飼い主の性質の差というより、自治体の運用の差を強く示唆する数字です。

マイクロチップの登録率とは関係が見られなかった

「マイクロチップが普及している県ほど、飼い主が見つかって返還率も高いのでは」と考えるのが自然です。そこで、マイクロチップ登録率と返還率の相関係数を計算しました(抑留50頭以上の40県)。

結果は r = 0.06 で、ほぼ無相関でした。

これは「マイクロチップは迷子のときに役に立たない」という意味ではありません。読み取れるのは次の2点です。

  • マイクロチップの登録率がまだ全国で15%程度と低いため、県単位の集計では効果が数字に現れにくい
  • 返還率の差があまりに大きく(1.9%〜94.1%)、自治体の運用の違いが支配的で、他の要因が埋もれてしまう

個体を識別できること自体の価値は、この集計とは別の話です。

この数字を読むときの注意

  • 返還率と相関係数は当サイトの算出値で、公表値ではありません。
  • 「抑留」の運用は自治体ごとに違います。 どの犬を抑留として計上するか、収容期間をどう取るか、公示をどう行うかが揃っていないため、県どうしの単純比較には限界があります。
  • 島根県は抑留・返還の数値が公表されていません(原本が「-」)。推定値では埋めていません。
  • 抑留が50頭未満の県(※)は、1頭の増減で率が大きく動きます。ランキングからは除いています。
  • 厚生労働省のページには、一部の年度・県について「自治体からの修正連絡により衛生行政報告例と数値が異なる」旨の注記があります。

飼い主としてできること

数字から言えるのは、保護されても半数は戻れていないということです。鑑札と狂犬病予防注射済票の装着は狂犬病予防法で義務づけられており、迷子のときの身元確認にも直結します。マイクロチップを入れている場合は、環境省のデータベースへの登録と、引っ越し・譲渡時の変更登録まで済ませてはじめて機能します。

災害時にはぐれる場合の備えは犬の防災バッグに、登録制度そのものの数字は都道府県別 犬の登録頭数・狂犬病予防注射率にまとめています。

出典・引用について

  • 出典:厚生労働省「都道府県別の犬の登録頭数と予防注射頭数等」令和6年度(衛生行政報告例より作成)。マイクロチップ登録率は環境省「マイクロチップ情報の登録頭数」令和5年度末と上記登録頭数から当サイトが算出
  • この表は、出典を明記していただければ引用自由です。 返還率・相関係数が当サイトの算出値である旨もあわせて明記してください。
  • 抑留・返還の頭数は公表値そのままです。

よくある質問

「抑留」とは何ですか?

狂犬病予防法にもとづき、自治体が捕獲・保護した犬を一定期間保管することです。飼い主が判明して引き取りに来れば「返還」となります。この記事の数字はその頭数です。

返還率が県によって大きく違うのはなぜ?

この統計からは理由までは分かりません。ただし1.9%から94.1%まで50倍近い開きがあり、マイクロチップ登録率との相関はほぼゼロ(r=0.06)でした。自治体ごとの抑留の基準・収容期間・公示の方法といった運用の違いが大きいと考えられます。

マイクロチップは迷子のときに役に立たないということ?

そうは読めません。都道府県単位の集計では登録率と返還率に関係が見られなかった、というだけです。登録率が全国で15%程度と低く、運用の差が大きすぎて個々の効果が埋もれていると考えられます。個体を識別できること自体の価値は別の話です。

自分のブログや資料に引用してもいい?

はい。出典として厚生労働省「都道府県別の犬の登録頭数と予防注射頭数等」と、このページのURLを明記してください。返還率と相関係数は当サイトの算出値である旨も添えていただけると正確です。