動物病院のスタッフ資格が2027年4月で変わる|愛玩動物看護師の経過措置終了
動物病院で採血や投薬をしてくれるスタッフには、2022年から国家資格ができています。その資格を実務経験だけで取れる特例が、2027年4月末で終わります。飼い主に手続きは要りませんが、かかりつけ病院の体制を知る手がかりになるので、農林水産省の資料をもとに整理しました🐶
何がいつ変わるのか
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度の名称 | 愛玩動物看護師(国家資格) |
| 根拠法 | 愛玩動物看護師法(令和元年法律第50号) |
| 施行日 | 2022年5月1日(令和4年5月1日) |
| 終わるもの | 実務経験5年以上の人が受けられる「予備試験」 |
| 期限 | 令和9年(2027年)4月末まで(法附則第3条第1項) |
| 最終回の試験 | 令和9年2月に実施 |
法附則第3条第1項では、予備試験は「施行日から5年を経過する日まで」毎年1回以上行うと定められています。施行日が令和4年5月1日なので、令和9年4月末が期限です。
資格がある人だけができること
農林水産省の資料によると、愛玩動物看護師の業務のうち**「診療の補助」は独占業務**で、有資格者(と獣医師)だけが行えます。
診療の補助に含まれる例
- 輸液剤の注射
- 採血
- マイクロチップの装着
- カテーテル留置
- 投薬
引き続き獣医師が行う必要があるもの
- 診断
- エックス線撮影などの放射線の照射
- ワクチンなど、身体への影響が大きい医薬品の投与
つまり、注射や採血をしてくれるスタッフは、獣医師か愛玩動物看護師のどちらかということになります。
資格がないスタッフが働けなくなるわけではない
誤解されやすい点です。農林水産省の資料には次のようにあります。
愛玩動物看護師法によって愛玩動物看護師の業務独占とされた診療の補助以外の業務は、引き続き、愛玩動物看護師以外の者も行うことは可能です。
受付、入院動物の世話、飼い主への案内といった業務はこれまでどおりです。ただし**「愛玩動物看護師」やこれに紛らわしい名称を名乗ることはできません**(法第42条)。
飼い主にとっての意味
手続きは何も要りません。知っておくと役に立つのは次の2点です。
- 採血・投薬・マイクロチップ装着を誰がしているかには、法律上の線引きがある
- 2027年5月以降は、実務経験だけで資格を取るルートが無くなるため、動物病院のスタッフ構成は今後ゆるやかに変わっていく
「うちの子の処置は誰がしてくれているのだろう」と気になったときは、聞いてみて構いません。資格の有無を尋ねるのは失礼なことではなく、法律が線引きしている事柄です。
マイクロチップの装着もこの診療の補助に含まれます。登録状況の全国データは都道府県別 犬のマイクロチップ登録率にまとめています。
この記事について
- この記事は制度の予想ではなく、農林水産省が公表しているQ&Aと法律の条文に書かれている内容を整理したものです。
- 試験の日程・受験資格の詳細は変更されることがあります。受験を検討している方は、必ず農林水産省および指定試験機関の公式情報をご確認ください。
- 記載は2026年9月時点の公表資料にもとづきます。
出典
- 農林水産省「愛玩動物看護師法に関するQ&A」(問2-1・問2-2・問2-6・問4-11・問4-12)
- 愛玩動物看護師法(令和元年法律第50号)第2条第2項、第42条、附則第3条
よくある質問
愛玩動物看護師にしかできない仕事は何ですか?
獣医師の指示のもとで行う「診療の補助」です。農林水産省の資料では、輸液剤の注射・採血・マイクロチップの装着・カテーテル留置・投薬などが例として挙げられています。これは有資格者(と獣医師)だけができる独占業務です。
資格がないスタッフは動物病院で働けなくなりますか?
いいえ。診療の補助以外の業務は、引き続き資格がない人も行えます。ただし「愛玩動物看護師」やこれに紛らわしい名称を名乗ることはできません(法第42条)。
2027年4月に何が終わるのですか?
実務経験5年以上の人が受けられる「予備試験」です。法附則第3条第1項により、予備試験は施行日(令和4年5月1日)から5年を経過する日まで、つまり令和9年4月末までとされています。最終回は令和9年2月に実施されます。
飼い主には何か影響がありますか?
手続きは必要ありません。ただし採血・投薬・マイクロチップ装着といった処置を誰が行えるかが資格で線引きされているため、かかりつけ動物病院の体制を知る手がかりになります。