「無添加」ドッグフードの表示の意味|過信しないための注意点
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「無添加」ドッグフードの表示の意味|過信しないための注意点

調査担当:ヒロ(いぬごはん調査室 運営者) 2026/8/21 公開

パッケージに大きく「無添加」と書かれていると、それだけで安心できる気がします。 けれど、その4文字が実際に何を保証しているのかを説明できる人は、あまり多くないかもしれません。

結論から言えば、ドッグフードの「無添加」には法律上の統一された定義がなく、何が入っていないかは商品ごとに異なります。 この記事では「無添加」をめぐるよくある誤解を一つずつ解きほぐし、パッケージの言葉に頼らずに確かめる手順を整理します。 特定の商品を否定する意図はなく、あくまで表示の読み方の話としてお読みください。


誤解① 「無添加=添加物ゼロ」

ドッグフードのパッケージ表示を確認するイメージ(イメージ)

まず押さえておきたいのは、ドッグフードの「無添加」は何を添加していないのかを商品側が選んで書ける表現だという点です。

実際の商品では、次のように限定された書き方をされていることがよくあります。

  • 「合成着色料・合成保存料 無添加」
  • 「人工香料 無添加」
  • 「BHA・BHT 不使用」

これらはいずれも「その添加物が入っていない」ことを示すもので、あらゆる添加物が入っていないことを意味するわけではありません。たとえば合成着色料は使っていなくても、酸化防止のために天然由来の成分が加えられていることはあります。

つまり「無添加」という言葉を見たときに確かめたいのは、何が無添加なのかという一点です。パッケージの表側だけでは分からない場合、裏面の原材料表示に戻る必要があります。

「無添加」は品質の総合評価ではなく、特定の成分についての説明です。表示そのものが悪いわけではありませんが、「無添加だから安全」「無添加だから良いフード」と一足飛びに結論づけないほうが、フード選びの精度は上がります。

誤解② 「無添加」には決まった基準がある

人間の食品には食品表示法にもとづく「無添加」表示の考え方があり、消費者庁は「無添加」「不使用」の表示について指針(食品添加物の不使用表示に関するガイドライン)を示しています。一方でペットフードについては、「無添加」という語そのものの使用基準を定めた法律は日本にはありません

ペットフードに関わる主なルールは次のとおりです。

  • ペットフード安全法(愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律/2009年施行・環境省および農林水産省所管) … 添加物の成分規格や、名称・原材料・賞味期限などの表示義務を定めています
  • ペットフード公正取引協議会の公正競争規約 … 業界の自主基準として、誤認を招く表示を制限しています

これらは表示すべき項目や安全基準を定めるものであり、「無添加」と名乗るための統一された合格ラインを設けているわけではありません。したがって、A社の「無添加」とB社の「無添加」が同じ意味とは限らないことになります。この点は覚えておいて損はないでしょう。

誤解③ 添加物は全部が体に悪い

「添加物」とひとまとめにされがちですが、その役割はさまざまです。ペットフードに使われるものには、たとえば次のような種類があります。

  • 酸化防止剤:脂質の酸化(劣化)を抑え、品質を保つために使われる
  • 保存料:カビや細菌の繁殖を抑える
  • 栄養強化のための添加物:ビタミン類・ミネラル類など、栄養基準を満たすために加えられる
  • 嗜好性を高めるもの:香料など

このうちビタミン・ミネラルの添加は、総合栄養食として栄養バランスを整えるうえで役割を持つとされています。添加物が入っていること自体が問題なのではなく、何のために使われているかを見るほうが現実的です。

なお、酸化防止剤を使わないフードは酸化が進みやすい傾向があるとされ、開封後の保存にはより注意が必要になる場合があります。「無添加だから開封後も長く使える」わけではない点にも留意しましょう。保存の考え方はドッグフードの保存方法|開封後の酸化を防ぐコツでも整理しています。

誤解④ 原材料表示を見れば添加物はすぐ分かる

ドッグフードを器に入れるイメージ(イメージ)

ここが少し厄介なところです。人間の食品では原材料と添加物をスラッシュなどで区切って表示しますが、ペットフードの表示では原材料と添加物をまとめて記載することが認められています。そのため、一覧のなかのどれが添加物なのかが一目では分かりにくいことがあります。

現実的な確認手順としては、次の順序が取り組みやすいでしょう。

  1. 原材料は使用量の多い順に記載されるという原則を踏まえ、上位に何が来ているかを見る
  2. パッケージ表面の「無添加」が何を指しているかを裏面や公式サイトで確認する
  3. 見慣れない成分名があれば、その用途(酸化防止・栄養強化など)を調べる
  4. それでも分からない場合は、メーカーの問い合わせ窓口に確認する

表示の読み方そのものについては、ドッグフードの成分表の読み方|避けるべき原材料リスト完全版で詳しく扱っています。あわせて読むと、パッケージの言葉に振り回されにくくなるはずです。

では、何を基準に選べばいいのか

「無添加」を過信しないとして、代わりに何を見ればよいのでしょうか。判断材料になりやすいのは、次のような客観的に確かめられる情報です。

  • 総合栄養食かどうか、およびAAFCO(米国飼料検査官協会)の栄養基準に適合していると明示されているか
  • ライフステージ表示(子犬用・成犬用・シニア用・全年齢用)が愛犬に合っているか
  • 保証成分値(粗タンパク質・粗脂肪など)が愛犬の体格や活動量に見合っているか
  • 原材料の上位に何が来ているか
  • 原産国・製造工場・問い合わせ窓口などの情報の透明性

そして最後は、実際に与えたときの愛犬の様子です。食いつき、便の状態、体重の推移などは、個体差が大きいため、数週間単位でゆっくり観察するのが現実的とされています。切り替えの際は少量ずつ混ぜて慣らし、体調に気になる変化があれば、自己判断せず獣医師に相談してください。

よくある質問

Q. 「国産・無添加」と書いてあれば安心ですか? A. 産地と添加物の有無は別々の情報です。どちらも一つの手がかりにはなりますが、それだけで栄養バランスや愛犬との相性が決まるわけではありません。

Q. 「ヒューマングレード」と「無添加」は同じ意味ですか? A. 違います。ヒューマングレードは原材料の品質に関する表現で、添加物の有無を示すものではありません。どちらも法律で統一定義された用語ではない点は共通しています。

Q. 添加物が心配な場合、何から見直せばいいですか? A. まずは現在与えているフードの原材料表示を確認し、気になる成分の用途を調べるところからで十分です。フードそのものを変える前に、保存方法やおやつの量を見直すだけで様子が変わることもあります。


参考・出典

  • ペットフード安全法(愛がん動物用飼料の安全性の確保に関する法律/環境省・農林水産省所管、2009年施行)
  • ペットフード公正取引協議会「ペットフードの表示に関する公正競争規約」
  • 消費者庁「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」(人間向け食品の考え方の参考として)
  • AAFCO(米国飼料検査官協会)栄養基準および原材料定義

表示の意味を押さえたうえでフードを絞り込みたい方は、比較ページも参考にどうぞ。

→ ドッグフード比較ページへ

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よくある質問

「無添加」と書いてあれば添加物は一切入っていないのですか?

そうとは限りません。「合成着色料無添加」のように特定の添加物だけを指している場合が多く、何が入っていないかは原材料表示で確かめる必要があります。

添加物が入っているフードは避けたほうがいいですか?

一概には言えません。酸化防止剤のように品質を保つために使われるものもあります。何のために使われているかを見て判断するのが現実的とされています。

原材料表示を見ても添加物かどうか分かりません。

ペットフードの表示では原材料と添加物をまとめて記載できるため、判別が難しいことがあります。分からない成分はメーカーに問い合わせるか、かかりつけの獣医師に相談してください。